「脳科学は教育を変えるか」 岩波『世界』
http://www.iwanami.co.jp/sekai/2005/11/directory.html
徹底討論
脳科学は教育を変えるか
伊藤正男(理化学研究所特別顧問)/榊原洋一(お茶の水女子大学)
柳沢正史(テキサス大学)/司会=河原ノリエ(ジャーナリスト)
いま、脳科学がブームである。学習概念を「脳が外界からの刺激によって神経回路を構築する過程」ととらえ、脳科学からの知見を教育に生かそうとする動きが出てきている。たとえば、「音読」や「百ます計算」が巷をにぎわしているが、脳科学の立場からはこれをどう評価すべきか。
「脳科学と教育」というテーマを立てたとき、脳科学の現状では何がどこまでわかっていてどこまでわかっていないのか、脳科学が教育に貢献している分野(学習障害の問題など)においてどのような研究が進められているのか、という点について、まずきちんとおさえておくことが必須のはずである。そのうえで、ハードサイエンスと「似非科学」を見分け、脳科学を教育に生かすための「サイエンティフィック・リテラシー」を社会に根付かせるために、脳科学者にはどのような貢献ができるのかを考えなければならない。
第一線の科学者による討論。司会はジャーナリストの河原ノリエ氏。
「徹底討論」というほどのものでも・・・。